退職代行の利用実態データ|5つの調査で見る「使う人」の本当の姿【2025年版】

退職代行の利用実態データ|5つの調査で見る「使う人」の本当の姿【2025年版】

「退職代行って、どんな人が使ってるの?」

この疑問に対して、ネット上にはイメージで語る意見があふれています。「甘えた若者が使うもの」「社会人として失格」——そんな声も少なくありません。

でも、イメージと実態はまったく違います。

この記事では、パーソル総合研究所・マイナビ・東京商工リサーチ・エン転職・退職代行モームリという5つの調査データをもとに、退職代行の利用実態を数字で整理しました。


退職代行の利用率:20人に1人が利用

まず、退職代行はどのくらい使われているのか。2つの調査データがあります。

調査対象利用率
パーソル総合研究所(2025年)離職者全体5.1%(約20人に1人)
マイナビ(2024年)直近1年の転職者16.6%

出典:パーソル総合研究所「離職の変化と退職代行に関する定量調査」/ マイナビ「退職代行サービスに関する調査レポート

パーソルの調査は離職者全体が対象なので5.1%ですが、直近の転職者に限ると16.6%と大幅に上がります。いずれにしても、もう「特殊な選択」ではないということがわかります。

マイナビの調査ではさらに注目すべき数字があります。退職代行利用者がいた企業は約4社に1社(23.2%)。企業側から見ても、もはや珍しい出来事ではなくなっています。


利用者の年代:20〜30代が中心、50代以上も1割

退職代行の利用者はどの年代が多いのか。東京商工リサーチが6,653社を対象に行った調査(2024年)のデータです。

年代割合
20代60.8%
30代26.9%
40代8.5%
50代以上約3.8%

出典:東京商工リサーチ「退職代行による退職 企業調査

20代が6割を占めますが、30代以上も約4割います。「若者だけが使うもの」というイメージは正確ではありません。

パーソル総合研究所の調査でも、退職代行利用者のうち前職在籍期間「1年未満」が約4割。入社して間もない時期に利用する人が多い傾向がわかります。


利用理由:「甘え」ではなく「言えない環境」

なぜ退職代行を使うのか。マイナビの調査(2024年)による利用理由ランキングです。

順位利用理由割合
1位引き留められた(されそう)約4割
2位自分から言い出せる環境でない
3位退職後にトラブルになりそう

出典:マイナビ「退職代行サービスに関する調査レポート」(2024年10月)

1位は「引き留め」への対処。自分で伝えたのに受け入れてもらえない、あるいは過去の経験からそうなることが予想できる。だから第三者の力を借りている。

エン転職の調査(7,749名対象、2023年)でも、退職経験者の約4割が「本当の退職理由を伝えなかった」と回答しています。そもそも退職の意思を正直に伝えること自体が難しい環境にいる人が多いのです。


利用者の性格:「協調性が高く、責任感が強い」

ここが最も重要なデータかもしれません。

パーソル総合研究所の調査(2025年)で、退職代行利用者の性格特性が分析されています。

その結果、退職代行利用者は「協調性が高く、責任感が強い」傾向があることがわかりました。

具体的には:

  • チームワークを重視する
  • 「職場が困るのでは」と心配する
  • 自分の意思より周囲への配慮を優先しがち

つまり、「甘えている人」とは正反対です。周りに迷惑をかけたくないと思いすぎるからこそ、自分では言い出せない。そういう人が退職代行を選んでいるという構図が、データから浮かび上がっています。

パーソル総合研究所のこの調査は、退職代行に対する「甘え」イメージを覆す重要なデータです。詳しくはパーソル総合研究所の調査ページで確認できます。

離職理由の変化:「残業」から「納得感」へ

パーソルの調査では、離職理由のトレンド変化も明らかになっています。

トレンド離職理由
上昇「上司の指示に納得できない」「評価に納得できない」
下降「サービス残業が多い」「労働時間が長い」

労働環境の改善(残業規制など)により、長時間労働を理由にした離職は減少傾向。代わりに増えているのが「納得感のなさ」

「ブラック企業だから辞める」という単純な構図ではなく、「環境は悪くないけど、このままでいいのか」という悩みから退職を選ぶ人が増えています。


新卒の実態:半数が「聞いていた話と違う」

退職代行モームリが公開した新卒1,814名分のデータ(2024年度)によると:

データ数値
新卒利用者数1,814名
退職理由で最多「入社前の契約と実態の乖離」(約5割)

出典:退職代行モームリ「2024年度新卒退職代行利用データ

「面接で聞いていた条件と、実際の業務が違う」——これが新卒の退職代行利用理由の約半数を占めています。

この場合、辞めたい原因は本人の甘えではなく、企業側の情報提供の問題です。


企業への影響:現場にも変化

東京商工リサーチの調査では、退職代行で社員が退職した企業の対応も明らかになっています。

企業への影響割合
残業が発生した31.1%
退職の原因調査を行った30.3%
引き継ぎに不備があった23.4%

出典:東京商工リサーチ「退職代行による退職 企業調査

注目すべきは「退職の原因調査を行った」が約3割あること。退職代行の利用をきっかけに、企業側が職場環境を見直す動きも出ています。


データが語る退職代行の実像

5つの調査データを整理すると、退職代行の利用者像は「甘えている人」とはかけ離れています。

イメージデータが示す実態
「甘えた若者が使う」協調性が高く責任感が強い人が使う
「若者だけ」30代以上も約4割
「自分で言えばいいのに」引き留めや言い出せない環境が理由
「すぐ辞める根性なし」新卒の半数は契約と実態の乖離が原因

退職代行は「甘え」ではなく、構造的に言い出せない状況に対する合理的な解決手段であることが、データから読み取れます。


「甘え」というイメージに振り回されて、辛い環境を我慢し続ける必要はありません。

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「退職代行は甘え?」という疑問に対して、だっとの考えを書いた記事もあります。→ 「退職代行は甘え」って本当?元社畜うさぎが全力で反論します


この記事で引用したデータの出典: