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業界別 平均年収×離職率クロスデータ【2026年最新】給料が低い業界ほど、人が辞めている

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この記事のポイント
  • 平均年収832万円の電気・ガス業界は離職率8.8%。年収279万円の宿泊・飲食は25.1%。年収3倍差に対して、離職率も約3倍差
  • 平均年収が全体平均(478万円)より高くて、離職率も平均(14.2%)より高い業界は16産業中ゼロ。「高年収なのに人が辞める業界」は存在しない
  • 唯一の例外は医療・福祉。年収429万円と平均以下でも、離職率13.8%と平均を下回る
  • 給料は「辞める引き金」ではなく「我慢が続く長さ」を決めている

「給料が安いから辞める」——よく聞く話ですが、実はこれ、退職理由のアンケートでは意外と上位に来ません。退職理由ランキングを見ると、目立つのは人間関係や労働時間で、給料はその後ろに控えています。

では、給料と離職は関係ないのか。

この記事では、国税庁「民間給与実態統計調査(令和6年分)」の業種別平均年収と、厚生労働省「雇用動向調査(令和6年)」の産業別離職率という、同じ2024年の2つの公的統計をクロスさせてみました。結論を先に言うと、業界単位で見れば、年収と離職率はきれいに逆相関しています。

業界別 平均年収×離職率の一覧【令和6年】

平均年収が高い順に並べ、それぞれの業界の離職率(1年間に常用労働者の何%が離職したか)を突き合わせたのが次の表です。全業種の平均年収は478万円、全産業平均の離職率は14.2%です。

業界平均年収離職率
電気・ガス・熱供給・水道業832万円8.8%
金融業・保険業702万円8.0%
情報通信業660万円10.2%
製造業568万円9.6%
建設業565万円10.0%
学術研究・専門技術/教育・学習支援549万円11.1%/13.1%
不動産業・物品賃貸業496万円13.5%
複合サービス事業(郵便局・農協等)490万円7.8%
運輸業・郵便業488万円10.2%
医療・福祉429万円13.8%
卸売業・小売業410万円15.1%
サービス業(生活関連・娯楽/その他)389万円19.0%/20.3%
宿泊業・飲食サービス業279万円25.1%
(全体平均)478万円14.2%

出典:平均年収は国税庁「民間給与実態統計調査(令和6年分)」業種別平均給与、離職率は厚生労働省「雇用動向調査(令和6年)」産業別離職率。両調査で業種の区分が一部異なるため、対応する区分を併記しています(例:国税庁の「サービス業」に対し、雇用動向調査の「生活関連サービス業・娯楽業」と「サービス業(他に分類されないもの)」の2つの離職率を記載)。

表の上と下を見比べてください。年収の上位5業界(565万円以上)は、離職率がすべて8〜10%前後に収まっています。一方、年収450万円を下回る下位の業界は、医療・福祉を除いてすべて離職率が全産業平均を超えています。

最上段と最下段の対比はとくに強烈です。

  • 電気・ガス:年収832万円、離職率8.8%(100人中9人が辞める)
  • 宿泊・飲食:年収279万円、離職率25.1%(100人中25人が辞める)

年収は約3倍差。離職率も約3倍差。ここまできれいに裏返るのかというくらいの逆相関です。

「高年収なのに人が辞める業界」は存在しない

年収と離職率を「全体平均より上か下か」で4つの象限に分けてみます。

離職率が平均より低い離職率が平均より高い
年収が平均より高い電気・ガス、金融・保険、情報通信、製造、建設、学術研究・教育、複合サービス、運輸、不動産(該当なし)
年収が平均より低い医療・福祉卸売・小売、サービス業、生活関連、宿泊・飲食

右上の象限——「給料は良いのに人がどんどん辞めていく業界」は、16産業のどこにもありません。個人単位では「高給だけど激務で辞めた」という話はいくらでもありますが、業界単位で均すと、平均年収が全体平均を超えていて離職率も平均を超える業界はゼロです。

つまりアンケートで「給料が理由で辞めました」と答える人が少なくても、給料の低い業界からは現実に人が流出し続けている。この2つは矛盾しません。人間関係や労働時間がきっかけで辞めるとしても、「この給料でこの環境なら、我慢する理由がない」と判断するラインを給料が決めているからです。

給料は辞める引き金ではなく、我慢が続く長さを決めています。

唯一の例外、医療・福祉が示すもの

表の中で一つだけ逆相関から外れているのが医療・福祉です。平均年収429万円と全体平均を50万円下回るのに、離職率は13.8%と平均より低い。

資格を取って就く仕事であること、地域を問わず仕事があること、そして「患者や利用者を置いて辞められない」という使命感。辞めにくい理由はいくつも挙げられます。

ただしこの「辞めにくさ」は、裏を返せば待遇が改善されなくても人が留まってしまう構造でもあります。介護分野の有効求人倍率は3.84倍と全職業でも屈指の高さで、現場の人手不足は深刻です。「自分が抜けたら回らない」と我慢を続けている人が多い業界であることは、離職率が高い業界ランキングでも書いた通りです。

低年収×高離職の業界で働いている人へ

右下の象限(宿泊・飲食、サービス業、卸売・小売)で働いている方に、このデータから言えることが2つあります。

1つ目。周りで人が次々辞めていくのは、あなたの職場が特別ハズレなのではなく、業界の構造です。年収の低い業界では、どの職場でも同じことが起きています。「自分の我慢が足りないのでは」と考える必要はありません。

2つ目。この構造の中では、「同じ業界内で頑張る」より「業界を変える」ほうが年収が動きやすい。業界内で転職しても、その業界の給与水準という天井は変わりません。表の上の業界と下の業界で年収が2〜3倍違う以上、大きく変えたいなら越えるべきは会社の壁ではなく業界の壁です。

とはいえ、いきなり「業界を変えろ」と言われても困りますよね。自分に業界を変える適性があるのか、今の経験がどこで活きるのかは、キャリアチェンジ診断(無料・2分)でセルフチェックできます。今の業界の人手不足度合いを確認したい方は職業別 人手不足マップをどうぞ。

そもそも辞めるべきかどうかで迷っている段階なら、仕事辞めたい度診断から始めるのがおすすめです。

まとめ

  • 業界別に見ると、平均年収と離職率はきれいな逆相関。年収832万円の電気・ガスは離職率8.8%、年収279万円の宿泊・飲食は25.1%
  • 「高年収なのに離職率が高い業界」は16産業中ゼロ。給料は「辞める引き金」ではなく「我慢が続く長さ」を決めている
  • 唯一の例外は医療・福祉。年収429万円でも離職率は平均以下——ただしそれは、待遇が上がらなくても人が留まる構造の裏返し
  • 低年収×高離職の業界にいる人にとって、年収を大きく変える壁は「会社」ではなく「業界」

このデータは毎年更新される2つの統計(民間給与実態統計は9月、雇用動向調査は8月に前年分を公表)をもとにしており、新しい年次結果が出次第、記事を更新します。

この記事で引用したデータの出典:

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