だっと だっとの退職ブログ 退職・転職・AI時代のキャリアをデータと体験で語るメディア

入社初日の退職代行、悪いのは新入社員だけか?企業側の「説明不足」を元チームリーダーが解説

PR | 退職代行 |
シェア
入社初日の退職代行、悪いのは新入社員だけか?企業側の「説明不足」を元チームリーダーが解説

「入社初日で退職代行を使うなんて、最近の若者は根性がない」

2026年4月、新卒の超早期退職のニュースが連日報じられるたびに、SNSではこういう声が必ず上がります。だっと自身、10年以上同じ会社で現場からチームをまとめる立場まで経験した人間として、最初はこの違和感がよく理解できました。

でも、2026年4月11日にYahoo!ニュースの専門家記事が報じた数字と、記事の中で指摘されている「企業側の説明不足」というポイントを読んで、正直「これは若者だけの問題じゃないな」と考えを改めました。

この記事では、1週間で約90件・うち2割が新入社員という最新データを整理したうえで、受け入れる側の企業が見落としがちな3つの構造的問題を、元チームリーダーの視点で解説します。「若者が悪いのか、会社が悪いのか」という二項対立ではなく、両方の不幸を減らすために何をすべきかという話です。

2026年4月の最新データ:1週間で90件、うち2割が新入社員

まず数字の整理から。2026年4月11日にYahoo!ニュースで公開された日本労働調査組合の岩崎氏の専門家記事によると、退職代行の依頼数は次のとおりです。

項目数字
2026年4月1〜7日の退職代行依頼数約90件
前年同期比約2倍
うち新入社員の割合約2割
入社初日の昼休みに依頼するケース複数報告あり

出典:日本労働調査組合「入社初日で退職代行? 止まらぬ新入社員の「超早期退職」 企業側の説明不足はどこにあるのか」Yahoo!ニュース専門家(2026年4月11日)

この数字自体は、2025年4月の速報(詳しくは新卒の退職代行データ|4〜6月がピーク・2024年度1,814名の全体像)と連続する傾向です。2024年度の新卒退職代行利用は年間1,814名、2025年の入社初日には5人、最初の7日間で90人超という報告がすでにありました。2026年も同じペースで増えていることが確認されたかたちです。

興味深いのは、Yahoo!ニュース専門家記事の焦点が「なぜ若者が辞めるのか」ではなく「企業側の何が不足しているか」に当てられている点です。これは新卒の超早期退職問題を、若者の根性論ではなく企業のマネジメント問題として捉え直す動きの一つだとだっとは読みました。

2026年4月の入社初日〜1週間以内の具体的な事例ルポは入社初日に退職代行を使う若者たちにまとめています。本記事はその姉妹版として、受け入れる側の企業に焦点を絞った構造分析という位置づけです。

企業側の「説明不足」として指摘された3つのミスマッチ

Yahoo!ニュースの専門家記事で具体的に挙げられていた「説明不足」のケースは、次の3つです。

1. 年間休日日数が説明と異なっていた

入社前に聞いていた年間休日数と、実際に入社してから知った年間休日数が違っていた、というケースです。これは悪意のある虚偽というより、会社が「うちの年間休日は◯◯日です」と正確に把握していないことから発生するケースが多いのが実態です。

月の休日数、祝日の扱い、夏季休暇・年末年始の日数、有給の消化実績。これらを合算して「実質的な年間休日」を出すと、求人票の数字とずれることが珍しくありません。入社1日目で「聞いていた話と違う」と感じた若者が、その場で「この会社は信用できない」という結論を出すのは、意思決定として早すぎるわけではないのかもしれません。

2. 勤務時間・給与・残業時間が説明と異なっていた

これも同じ構造の問題です。残業時間について「ほぼありません」と面接で聞いていたのに、入社してみたら現場が毎晩遅くまで残っている。あるいは「みなし残業含む」の給与額が、実際の労働時間を割ると想定より低い。

元チームリーダーとして経験的に言うと、現場の実態を人事や採用担当が正確に把握しきれていないケースが圧倒的に多いです。採用担当は「できるだけ良く見せよう」とする一方、現場は日々の仕事に追われて採用フローに口を挟めない。その間に「採用時の説明」と「現場の実態」のあいだにズレが積み重なっていきます。

3. 面接で仕事内容を十分に伝えず、入社後の教育も現場に丸投げ

これが最も構造的な問題だと、だっとは感じました。面接では「いろんな仕事を任せます」「成長できる環境です」といった抽象的な言葉で語られ、具体的な1日の流れや、1週目・1ヶ月目に何をするのかという「現場の手ざわり」がほとんど共有されないケースが多いからです。

そして入社してみると、現場の上司は「見て覚えろ」「まずは雑用から」のスタンスで、体系的なオンボーディングがない。採用した人事側は「配属後は現場の責任」と手を引き、現場は「人事が教育すべき」と考える。このボール落としの状態で放置された新卒が、「この会社は自分を受け入れる気がないのでは」と感じて退職代行に流れるのは、当然といえば当然です。

元チームリーダーから見た「なぜ企業は説明不足になるのか」

ここからは、10年以上Web系の会社で現場からチームをまとめる立場まで経験しただっとの視点で、もう少し構造的な話をします。

企業側が「説明不足になる3つの理由」は、次のとおりだと整理しています。

理由1:採用する人と受け入れる人が分離している

多くの会社で、採用を担当する人事と、現場で新卒を受け入れる上司・先輩は別の人です。人事は「採用した後は現場の仕事」と考え、現場は「教育は人事の仕事」と考える。この情報の分断が、入社時の説明不足の最大の原因です。

だっとがチームをまとめる立場だったとき、人事から「来月から新卒が1人配属になります」と連絡が来ても、その新卒がどんなスキルを持っているのか、どんな説明を面接で受けたのかは、ほとんど共有されませんでした。結果、初日の朝に自己紹介をしながら「あ、そういえばどんな案件で採用されたんですっけ」とこちらから聞くような状態になります。

理由2:現場が忙しすぎて「最初の1週間」に時間を割けない

人手不足で現場が常にフル稼働している会社ほど、新卒を迎える側に余裕がありません。本来なら最初の1週間は、業務の説明・チームメンバーとの顔合わせ・質問しやすい雰囲気作りに時間を使うべきですが、実際には「とりあえず席に座っておいて、あとで教えるから」と放置されがちです。

新卒にとって、この「放置される初日」の心細さは想像以上です。自分は大丈夫だった、と言いたい先輩世代ほど要注意で、当時の感覚と今の新卒の感覚は大きく異なっています。情報のやり取りがSlack・Teamsなどのチャット前提に変わっているなかで、「オフラインで自然に馴染む」文化は、すでにデフォルトではなくなっています。

理由3:辞めた若者の声が会社に届かない構造

退職代行を使って辞めた若者の「辞めた本当の理由」は、会社に届きません。これが最大の問題です。退職代行は会社との交渉を遮断するために使われるので、会社側は「なぜ辞めたか」を聞き出す機会そのものを失います。

結果、会社は「また若者が根性なしで辞めた」という認識のまま、翌年も同じ採用プロセス・同じ受け入れ方を繰り返す。根本原因が可視化されないループに入っているのです。これが、退職代行の利用が年々増え続ける構造的な背景だとだっとは考えています。

「辞める側」から見ても、この企業はやばい兆候がある

ここまで企業側の話をしてきましたが、辞める側の若者にとっても有益な視点があります。それは、入社してみて上記3つの「説明不足」が1つでも当てはまった場合、その会社は今後も改善される可能性が低いという読みです。

説明不足は単発の事故ではなく、会社の情報共有文化現場と人事の連携体制という構造的な問題から生まれます。入社してから「この会社、採用時の話と違う」と感じた場合、3ヶ月待っても1年待っても、その違和感は解消されにくいのが実態です。

もちろん、入社初日で辞める判断が最適かどうかは人によります。でも、1週間〜1ヶ月の観察期間で以下の3点が当てはまった場合、早めに次を考えるのは合理的な判断です。

  1. 入社前の説明と実際の勤務条件・業務内容が明確に違う
  2. 配属後の教育計画が示されず、現場に完全に丸投げされている
  3. 「これってどうなってる?」という質問に誰も答えない、または「先輩に聞いて」でたらい回しになる

辞めると決めた場合の選び方は退職代行おすすめ3選を徹底比較、新卒特有の注意点は新卒でも退職代行は使える?判断基準とおすすめサービスを解説にまとめています。パワハラや劣悪な環境で退職すら言い出せない状態なら、退職代行は甘えって本当?も読んでみてください。

企業が今すぐ見直すべき3つの受け入れ改善ポイント

元チームリーダーとして、もし自分が新卒を受け入れる立場に戻るなら、最低限やるべきことは次の3つです。

1. 入社1週目のスケジュールを「時間単位」で事前に作る

「最初の1週間はとりあえず見て覚えて」ではなく、1日目の午前・午後、2日目の午前・午後という単位で何をするかを事前に決めておく。たとえば1日目の午後はチームメンバー全員との1on1(15分ずつ)を入れる、2日目の午前は開発環境セットアップ、3日目の午前は既存ドキュメントの読み込みとQ&A、といった具合です。

新卒にとって、「次の時間にやることがわかっている」という構造そのものが、安心材料になります。

2. 採用時に見せた情報を、現場上司に共有する

人事が面接で何を説明したか、どんな案件の話をしたか、新卒が入社を決めた理由は何か。このあたりを配属前に現場上司に共有しておくだけで、初日の会話のズレが大幅に減ります。

「そういえばあなたはこの案件に興味があるって面接で話してましたよね」と初日に言えるだけで、新卒の不安は半減します。逆に、人事の説明と現場の実態にズレがあるなら、ズレを初日にちゃんと説明することが重要です。「面接ではこう聞いていると思いますが、現場の実態はこうです」と誠実に伝えた方が、後から不信感を持たれるより遥かに良いです。

3. 辞めた人の「辞めた理由」を聞き出す仕組みを作る

退職代行を通じた退職が増えている今、辞めた人の本音を聞く機会は意図的に作らないと消えてしまいます。退職後1ヶ月以上経ってから、人事や元上司ではない第三者(外部の中立的な担当者)経由でアンケートを依頼する、という仕組みが最低ラインです。

「辞めた理由を聞き出す機会を失った会社」は、同じミスを翌年も繰り返します。これが退職代行利用が年々増え続ける一番大きな構造的理由だとだっとは思っています。

まとめ — 若者と会社、どちらも不幸にしないために

  • 2026年4月1〜7日の退職代行依頼は約90件、前年同期比2倍
  • うち約2割が新入社員、入社初日の昼休みに依頼するケースも
  • Yahoo!ニュース専門家が指摘した「企業側の説明不足」は、年間休日・勤務条件・仕事内容の3点
  • 元チームリーダー視点で見ると、説明不足の原因は採用と受け入れの分離現場の余裕のなさ辞めた理由が会社に届かない構造の3点に集約できる
  • 新卒側は「入社1週目に3つの違和感があるか」で継続判断するのが合理的
  • 企業側は時間単位の受け入れスケジュール配属前の情報共有辞めた人の本音を聞く仕組みの3点を最低限整備すべき

「最近の若者は根性がない」という言葉で思考停止してしまうと、企業側の改善機会が毎年消えていきます。逆に「若者に寄り添うべき」というきれいごとだけでは、現場の忙しさのなかで何も変わりません。だっとが思うのは、若者と会社の両方が「最初の1週間」の情報ギャップを埋めるだけで、ミスマッチの多くは解消できるということです。

新卒の超早期退職は、悪者を1人に決める話ではありません。両方の不幸を減らすために、企業は受け入れ方を見直し、若者は「違和感を感じたら早めに動く」選択肢を持つ。その両輪を動かすための情報として、この記事が役立てば嬉しいです。

この記事を読んだあなたへ

仕事やめたい度診断

今の仕事をやめたい気持ちを5段階で診断

診断する →
だっと

だっと

Web業界10年以上→退職→キャリアチェンジ。退職・転職をデータと体験で語ります。

シェア

おすすめ記事

【2026年最新】退職代行おすすめ3選を徹底比較!元社畜が本気で調べたランキング

退職代行サービスを元社畜が徹底調査。料金・対応範囲・口コミ・運営元を比較して、本当におすすめできる3社を厳選。労働組合型・弁護士型の違いも解説します。

退職代行サービス3社を徹底比較|料金・タイプ・対応範囲を一覧表で確認

退職代行サービス3社の料金・運営タイプ・対応範囲・支払い方法を一覧表で徹底比較。労働組合型・弁護士型の違いや、状況別のおすすめも解説。自分に合ったサービスがひと目でわかります。

退職代行はどれがいい?30秒診断であなたにぴったりのサービスが見つかる

退職代行サービスが多すぎて選べない…そんなあなたに。4つの質問に答えるだけで、状況にぴったりの退職代行が見つかる無料診断ツール付き。選び方のポイントも解説。

「退職代行は甘え」って本当?元社畜うさぎが全力で反論します

「退職代行を使うのは甘え」「無責任だ」という声に、退職・転職を経験した筆者が全力で反論。退職代行が必要な理由と、「甘え」ではない根拠を解説します。

退職代行の料金相場はいくら?タイプ別の費用と選び方を徹底解説

退職代行の料金相場をタイプ別に徹底解説。民間企業型・労働組合型・弁護士型それぞれの費用感と、料金だけで選ぶと失敗する理由、コスパの良い選び方を紹介します。